APNsのトークン認証キー管理がアップデート!
Appleは 2023年4月19日、Apple Push Notification Service(APNs) のセキュリティ強化のため、新しいトークン認証キー管理機能を発表しました。
これにより、アプリごとに専用のキーを発行できる「トピック固有キー(Topic-specific keys)」と、開発・本番環境を分けられる「チームスコープキー(Team-scoped keys)」が追加されました。
この変更は、プッシュ通知を利用するアプリ開発者にとって重要な影響を与える だけでなく、適切な管理を怠ると法的リスクにつながる可能性 もあります。
本記事では、新機能の概要と、アプリ開発に関わる法務リスクと適切な運用方法 について解説します。
APNsのトークン認証キーとは?
APNsのトークン認証キーは、iOSアプリがプッシュ通知を送信するために必要な認証情報 です。
従来の仕様では、1つのトークン認証キーで 開発環境・本番環境の両方 に対応でき、すべてのアプリで共通して使用することが可能でした。
しかし、新たなアップデートによって、より細かいキー管理ができるようになりました。
これは、プライバシー保護やセキュリティ強化の観点からも重要な変更 です。
何が変わったのか?
Appleは、以下の 2つの新機能 を追加しました。
チームスコープキー(Team-scoped keys)
開発環境と本番環境で異なるキーを使用できるようになりました。
メリット
• 開発環境と本番環境を分けることで、誤用を防ぎ、セキュリティを強化できる
• 本番環境のキーを誤って開発環境で使うリスクを回避できる
• 開発用と本番用のキーを適切に管理し、誤用を防ぐことが重要
• アプリのプライバシーポリシーや利用規約に「通知の管理方法」を明記し、適切な説明を行うこと
トピック固有キー(Topic-specific keys)
アプリごとに専用のキーを発行できるようになりました。
メリット
• アプリごとに異なるキーを発行できるため、より細かいセキュリティ管理が可能
• 企業や開発者が複数のアプリを運用する場合、誤用を防ぐことができる
• 複数のアプリでプッシュ通知を利用する場合、アプリごとのプライバシーポリシーを適切に設定する必要がある
• ユーザーの個人情報をどのように扱うかを明確にし、各アプリの利用規約に記載することが求められる
APNsのトークン認証キー管理と法務リスク
プッシュ通知は、ユーザーとアプリを繋ぐ重要な機能ですが、適切な管理を怠ると、以下のような法的リスクが発生する可能性 があります。

① ユーザーの同意なしにプッシュ通知を送信すると、個人情報保護法違反の可能性
• プッシュ通知の送信には 「ユーザーの明示的な同意」 が必要。
• アプリをインストールしただけで自動的に通知を許可させる設計はNG(通知の設定をユーザーが管理できる必要がある)。
② 誤った環境で本番用のキーを使用すると、ユーザー情報が漏洩する可能性
• 対策: 「チームスコープキー」を適切に設定し、開発・本番環境を明確に分ける
③ 複数のアプリで共通のキーを使い回すと、データの誤送信が発生するリスク
法律リスクを回避するための適切な運用方法
プッシュ通知を適切に運用し、法的リスクを回避するために、以下のポイントを押さえておきましょう。
設定方法:新しいトークン認証キーの作成
新しいキーを設定する場合、Apple Developer の「Certificates, Identifiers & Profiles」 で管理できます。
1. チームスコープキーの設定手順
1. Apple Developer にログイン
2. 「Certificates, Identifiers & Profiles」に移動
3. 「Keys」セクションから「新しいキーを作成」
4. 「開発」または「本番」を選択
5. キーを作成し、ダウンロード
まとめ
• APNsのトークン認証キーがアップデートされ、より細かい管理が可能に!
• 「チームスコープキー」→ 開発環境と本番環境でキーを分けられる
• 「トピック固有キー」→ アプリごとに専用のキーを発行できる
• 法務面では、プッシュ通知の許可・データ管理の透明性を確保することが重要
• 既存のキーはそのまま使えるが、より安全な運用を考えるなら新機能を活用するのがおすすめ!
アプリ開発者は、法務リスクを意識しながら、新しいAPNsのセキュリティ対策を導入しましょう!
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